お疲れ様です。読者諸兄の皆様、毎度、ご覧くださり、本当にありがとう。元社畜のowakonです。m(_ _)m
今回の記事は、前回の続編となります。
前回の記事は、始業後七分後にトイレに行ったことで執行役員と口論になり、そのことで不当なリストラされた話でした。
まさにクソ上司。第二弾。おトイレでリストラ? | 尾張社畜生存コンテンツ
今回、そうした理不尽に見舞われてしまった場合の対処の一つとして「労働審判」という裁判所のシステムを紹介します。結論から申し上げますと、中堅企業相手でも筋を通せば負けません。500,000円以上の和解金をゲットできます。

突然ですが、皆さんは裁判所を利用したことがございますか?
私は、30代後半ですが、過去2回ほど利用したことはあります。どちらも原告です。
まさか読書諸姉諸兄の皆さんの中に、「被告」として出廷した方はおられませんか?

いえ、私、加害者の方を、不寛容に見下すことはしません。悔い改めればいいのです。人間は弱い人は多い。つまずくことや、誘惑に負けて罪過に走ることもありましょう。悔い改め、謝罪し、償って、立ち上がることが肝要なのです。

青天の霹靂:まさかの不当解雇
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さて、話を戻します。これは、実際に私が体験した労働事件です。某企業でパワハラ行為に口答えしたら、不当解雇の憂き目に遭いました。

その時に、理不尽な解雇に対抗する手段として「労働審判」と「法テラス」を活用しました。
ちなみ、例のクソ執行役員のリストラの件では、労働審判を通じて抗っておりません。その職場での就労はまだ半年未満でしたし、その時期はすぐに次の職場を見つけました。また、労働審判という裁判沙汰は気力と手間もかかるので。
あれは、今から7年ほど前のこと、当時正社員としてある会社に勤めていたのですが、突然解雇されました。当時の会社には、出荷に使うパレットを間違えたなどささいなミスで激怒して、パレットを蹴とばすなどの感情的パワハラをする先輩の方がいました。

そういったパワハラ行為が嫌で、抗議したら揉めてしまって、その約一カ月後に、作業中に部長に呼び出されて「解雇通知」を受けました。小田和正の「ラブストーリーは突然に」ならぬ「解雇通知」は突然にです。
あの時は寝耳に水といった感じで、放心してました。解雇のことを知人の方に伝えたら「お疲れ様でした」と慰めの言葉をもらったことを覚えています。こんなことってあるんだ、、、と

とりあえず、途方に暮れててもしょうがないので、
行動します。

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不当解雇後の駆け込み寺、法テラス。着手までのストーリー

まず、労基署に足を運びました。
労働者の保護機関というと労働基準監督署をイメージする人もいるかと思いますが、労働基準監督署は労働基準法に定める解雇の規定のチェックはします(30日前に解雇予告はしたか?もしくは解雇予告手当を払ったか)が、解雇の当、不当は詮議しません。それは裁判所のテリトリーです。
というわけで、元社畜owakon、労基署にて「法テラス」を紹介されて、そちらにたらい回されました。いやいや、親切なご案内です。
社畜、走ります。社畜行動します。法テラスに早速向かいました。この法テラスというところは、端的に言うと「資力のないプアな人が、権利を主張しやすく民事裁判を起こしやすいようあっせんし、援助するところ」なのです。



資力の基準は具体的にいうと手取りで月収200,000円に満たない人が利用できて、弁護士さんの着手金(120000円)や裁判手数料、印紙代(8000円)などを法テラスが立て替えてくれます。利用した人は、月々10,000円もしくは5000円をローン返済していくのです。刑事裁判みたく国庫から費用を全額捻出してはくれませんが、これにより資力に乏しい哀れなプロレタリアでも権利を訴えやすくします。

相談場所 | 法テラス愛知(名古屋市中区栄4-1-8 栄サンシティービル15階) |
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相談日時 | 【弁護士相談】 毎週水曜日 10時から13時、13時から16時 毎週月曜日・木曜日 13時から16時 |
相談内容 | 借金(債務整理)・金銭トラブル(貸金・損害賠償)・離婚(養育費・財産分与)・相続・労働問題などの一般相談 |
相談方法 | 面談、電話 ※電話相談をご希望の方はお電話でご予約ください。 |
法テラスのHPより引用
上記のチラシにも書いてある通り、資力の無い者なら三回まで、約30分、予約の上、弁護士さんと無料相談することができます。
早速、メモに事件や相談内容をまとめて、相談します。

今回、こうこうこういったことがあり、先輩のパワハラに抗議したり、会社の相談窓口に訴えでたら、何故か解雇されてしまったのです。これは、不当解雇ですよね。どうしたら、救済されますか。

会社には、労働安全衛生法で、「従業員が安心して働ける環境を整える義務」があります。今回のケースですと、パワハラの訴えに対して誠実に対応していないということになります。その責任を問うことができますが、その事実を認定してもううため立証し、訴求していくには、準備書面ときちんとした証拠が重要です。そう簡単ではありません。

やはり、会社相手の訴訟は簡単ではありませんか?不当解雇されたら泣き寝入りなのでしょうか?

簡単では、ありませんが、解雇案件は一般的に労働者が有利なのです。それに、労働問題なら「労働審判」というシステムもあります。これなら最大で3回までの審理で決着がつきます。また、あっせんと異なり、会社側に対して出廷させる強制力もあります。

へえ、三回までならそんなに負担なく闘えそうですね。解決に向けて弾みがつきます。

ただし、労働審判は基本金銭で解決するのがオーソドックスで、元の会社に復帰することは稀だと心得てください。
私、社畜owakon、労働審判にて闘うことを決意。負けない可能性があることを踏まえ、労働審判で抗います。こんな理不尽に黙っちゃイケねえ。

法テラスの援助に申し込みをすることにしました。援助利用の審査のために、「給与明細書」と「解雇通知書」、「住民票」を用意します。



資力チェックには、給与明細の他にも「生活等状況申告書」も記載して提出しなくてはいけません。家族構成、自分や配偶者の収入、月々の償還金額なども記入します。なかなか手間がかかります。

法テラスで、事件の概要を審査の上、「勝てる勝算」がある程度あると認定されると、弁護士さんへの依頼が決定します。ここでも代理援助契約書という書類に記入します。弁護士さんの費用は着手金108,000円、印紙代や出廷料などは20,000円。これらの費用をローンで返済していくわけですが、月々の返済額を決めていきます。私の場合5,000円に設定しました。
これで、不当解雇に抗っていきます。
弁護士と共に:不当解雇に立ち向かう社畜の弁論書



さて、弁護士さんの提案で、不当解雇に対して「労働審判」で戦うことになったのですが、1から10まですべて弁護士さんがやってくれるわけではありません。
弁護士さんの事務所に赴き、解雇通知書など書類の提出、パワハラ相談の証拠の提示、事件の概要をまとめたメモの作成及び提出、そして弁護士さんとの打ち合わせなどやることがあります。
こういった作業を通して、不当解雇企業を打つ「弁論書」を作成していくのです。この弁論書は起訴状のようなものですね。
弁論書は、まず結論から書き、その後本論と展開します。事件のあらすじは時系列に沿って書き出し、5W1H(いつ、どこで、だれが、何を、なんで、どのような)を意識し、愛ならぬ憤怒と怨念をこめて・・・・いえ、いえ、いえ、
理性的に判事さんに向けて分かりやすいように文面を紡いでいくのです。
「あの会社、ブラック企業。悪い会社、やっつけて」では、何がどうアコギで、どの程度の被害を受けたのか全く分かりません。理路整然と要点を押さえて、訴えていく文章を書かなければなりません。
訴求力のある文章を構成していきます。こういった機会で文書力が鍛えられていくのは残念ですね。文書力は、ビジネスメンの基礎中の基礎、日々の報告書や作業手順書作成などでも活用されるはずであります。

あと、裁判の交渉では、当初は目標金額よりも多めの金額をドーンと提示し、そこから相手と妥協して徐々に減額していきます。


社畜の苦難:被告からの中傷的反論(嘘も含む)
こちらから「弁論書」を作成し、裁判所に提出したらほっと一安心、、、ではありません。
次なる神から与えられし試練が待っております。それは、相手企業からの「反論書」であります。
これを読むとメンタルが削られます。なぜなら、基本的に相手は己の非を認めず、それどころかこちらの勤務態度や能力について誹謗中傷して反論してくるのですから。中には嘘も盛り込んで書いてきます。
例えば、下記の反論書文面で「安全性に対する認識の欠如」とありますが、これはどういうことかといいますと、「私がフォークリフトの作業中にヘルメットをきちんと着用してなかった」との相手の主張なのです。確かに、フォークリフトの運転でヘルメットを着用してないのは不安全行動で良くない。
しかし、この相手の主張は嘘なのです。わたしは、フォークリフトの作業中にきちんとヘルメットを被ってました。むしろ、相手企業の先輩や所長のほうが、ヘルメットも被らず、フォークリフトでラックに上って商品を検品するという不安全行動をしてました。

また、パワハラについても、相談したメールの痕跡は残っていたので、認めましたが、「そんなつもりはなかった、指導のつもりだった、受け取り方次第である」などエクスキューズに奔走してました。



そんな被告からの反論書に対しても、再度、弁護士さんの事務所に伺い、相手からの反論に対して、打合せをして反訴の主張文を作成しに行かなくてはなりません。憤り感じながらもメンタルショックを乗り越えてやり抜きます。あとは、法廷への出廷および意見陳述であります。



社畜の逆襲:いざ法廷へ

そして、やってまいりましたお白洲(裁判所)。ここに大岡越前の守がおわすのですね。
裁判所というところは緊張します。被害を受けた原告(私)であってもです。
威厳はあります。そりゃ、殺人犯をプレハブ小屋でジャージ着たユルイ感じの判事さんが裁いちゃ締まりがありませんからね。
私も一張羅の背広を着て、弁護士さんと合流し、裁判へと臨みます。労働審判では必ず原告や被告は出廷する必要はなく代理人(弁護士)に出廷を任せることもできます。が、私は、今回の理不尽やブラックぶりを許してはおけないという義憤が、重い思いがあり、出廷することにしました。(ホントは、クビになり無職で暇だから)


労働審判は、密室で、判事さんと労働審判員(労働者側と経営者側)の三名で行われ、部屋を入れ替わり立ち代わりで交互に原告、被告の主張を拝聴していきます。
被告からは、被告側の弁護人以外に、部長と所長(不当解雇企てた)、役員の人が出廷してきました。
もう7年ほど前になりますが、審判のムードや会話の大まかなやり取りを記憶を元に再現します。

パワハラがあったって書いてあるけど、どのようなパワハラだったのかな?
僕も部下の子に強く言ってしまうことはあるのだけど。

パレットを間違えるなどミスをした際に、パレットを蹴とばして怒鳴るなどの威嚇行為が2回ほどありました。会社の相談室に相談しましたが、どういうわけかその後、解雇通知を受けました。

相談したら解雇なんて、何のための相談室なんだろうね?そりゃ、災難だったね。

なぜ、請求額を2000000円に設定したのか?

それは、もし半年続けていればと仮定し、ボーナスまで盛り込んだからです。

ボーナスはちょっと欲張りだわね(苦笑)

owakonさんの履歴書を見ると、関西の有名私大を出てて、そんな人材がフォークリフト運転手なんて、「ん?」と違和感を覚えるところもあるのだが。

それは、今回の審理とは直接関係ない点です。人が、どのようなキャリアや職業を選択するかは、大きなお世話かと思います。

ちょっと被告側の言い分も聞いてみるね。別室でしばし待ってて。
暫し、被告側の聴聞、別室にて待機。

被告側の言い分も聞いて、また審判員の人とも協議した結果、やはり今回の解雇は報復的なものと推察される。あと、パワハラも、軽度ではあるが「パワハラ行為」と認定する。軽度としたのは威嚇行為が数カ月にわたって日常的に行われたものではなく、二回程度なので。

そんなこともあって総合的に勘案して、被告にはこの金額(給料2.5か月分)を支払うよう勧告させてもらった。いかがかな?

あっ、はい、大丈夫です。それで手を打ちます。ありがとうございました。
そして、事件は決着へ。金額は不当解雇としてはちょっと安めではありますが、正直、ホッとしました。こちらとしては、敗訴して裁判費用の費用倒れを危惧しておりましたので、とりあえず、それを回避できたのは大きい。


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調停成立であります。これにて一件落着です。
「労働審判」の感想としては
- 判事さんは、意外と厳粛ではなくフレンドリーな感じでした。
- 労働審判員は、経営者側の審判員が労働者の味方になってくれる。(逆に経営者側審判員は被告企業に苦言を言う)
- たまに大きなお世話もある。(労働者側審判員)
- 原告と被告が直接、討論するのではなく、意見聴聞は交互に行われる。



裁判を終えて:安堵と祝杯

解決金ゲッチュです。630,000円ももらえる運びとなりましたが、そのまま頂けるわけではありません。まずは、清算です。法テラスにローンで申し込んだ着手金108000円と印紙代など裁判手数料の残り15000円、それに得ることができた成功報酬の10%の63000円が相手からの解決金から天引きされて、その後振り込まれます。
訴訟費用は、主に弁護士さんの費用が高く、訴訟の手数料自体はそれほど高くはありません。弁護士さんを立てない本人訴訟を検討なら心得てくだされ。
手取りだと430,000円となりました。プロレタリアにはなかなかの大金です。


審判終了後、3週間ほどで清算が終了しました。相手企業から速やかな支払いが行われたみたいです。これでローンのないきれいな身となり、すっきりしました。

日本は、司法がきちんと機能している先進国で、判事さんが買収されてる発展途上国でもないし、中国みたく独裁政権が法を捌く国ではないのです。苦労はしましたが、訴える甲斐はありました。理不尽な目に遭った社畜に光がありました。私につきあってくれた大府法律事務所さんには改めてお礼申し上げます。
得たお金で、私はまず旅行に行きました。無職で暇な上にボチボチな大金が入ったので。


そして、自分を磨き、市場価値を上げるため、通信講座に申し込みました。

ですが、後日、我が愚兄が、古い価値観(無職はダメニート)で無職の私を批判して、心理的に往生こきました。そのアダルトチルドレンを克服するのは、また、別のはなしである。

労働審判のメリットは、会社を出廷させる強制力がある。最大3回までの審理で事件が迅速に終わる点
デメリットは、弁論書を書く手間と誹謗中傷的な反論でメンタルが削られる点
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