ご機嫌いかがですか。読書諸兄諸姉の皆様。
これは、前回の記事の続編となります。不当な退職勧奨、理不尽に咲く花、社畜 | 尾張社畜生存コンテンツ
読者諸兄のみなさまは「退職勧奨」をされたことはありましたか?
私、元社畜owakonは、パワハラ被害の相談・報告から退社勧奨がなされました。
しかも、理由が「前職で労災を出した」という人を辞めさせる理由になってない理由でした。
この記事では、不当な退社勧奨を受けてから、それに素直に従わず「和解金」をゲットするまでの道のりを紹介します。


不当退社勧奨の衝撃:カウンセリングで気持ちを落ち着かせる
退社勧奨を受けて、その翌日から突然暇人になりました。私は、正社員でしたが、特定派遣の技術屋で客先に派遣されてました。人事の人から「お客が不信感を持っているので、現場には行かないでくれ」と言われたので、自宅待機となりました。
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とりあえず、誰かに話を聴いてもらいたく、ある心理カウンセラーのところに行きました。話をすることで気持ちを整理するためです。

そこで、今回の事件のあらましを語りました。
そのカウンセラーの言葉を紹介すると、「owakonくん、こりゃ負けないよ。現実、ここまで言っておいて、自己都合退社はないわな。こりゃ、実質上解雇だよ。それは驚きだね。そんな理由(前の職場で労災を出したこと)はひとを辞めさせる理由になってないな。意味不明だよ。 その人事の人の言いぐさは問題。人を人と思っていないやり方、
こりゃ、ブラック企業だよ。」

続けて「こんな会社、解雇になってもいい。指導レベルも低い、レベルの低いアホみたいな会社。owakonくんのことを「皆悪く思っている」と人事の人が言っているが、それはその人の勝手である。「皆が」っていうことはない。1部の人は言っている。相手の思う事はコントロールできない。現実、おったっていいじゃん。」

とりあえず、自分に落ち度はないと評価してもらい、ホッとしました。同じ事件でも見る人によっては評価は異なります。昭和平成の人なら「上の人に逆らうお前が悪い」とバッシングしてくるのは目に見えてます。
そして、勇気をもらった社畜、ここから逆襲です。


抗い続ける社畜:法テラスと労働局での闘争記
不当な退社勧奨というと、「労働基準監督署」を思い浮かべる方もいらっしゃいますが、労基署では、基本的に解雇の当・不当は扱いません。彼らは、解雇するにあたって労働基準法の規定に則って行ったかを問題にして、違反があれば会社に対して行政指導します。

不当退社勧奨は管轄が違うということで、私は「法テラス」にまず相談に行きました。このようなトラブルがあった場合、どのような労働法規を基に、どれだけの金額で救済されるか尋ねたかったからです。法テラスは、名古屋市の場合、中区役所の入っているビルにあります。
相談場所 | 法テラス愛知(名古屋市中区栄4-1-8 栄サンシティービル15階) |
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相談日時 | 【弁護士相談】 毎週水曜日 10時から13時、13時から16時 毎週月曜日・木曜日 13時から16時 |
相談内容 | 借金(債務整理)・金銭トラブル(貸金・損害賠償)・離婚(養育費・財産分与)・相続・労働問題などの一般相談 |
相談方法 | 面談、電話 ※電話相談をご希望の方はお電話でご予約ください。 |
法テラスHPより引用
法テラスは、手取りの月収が200,000円未満なら、無料で活用でき、同じ案件なら相談なら3回までは無料で行えます。
収入を証明する給与明細書などを持参して、相談に伺いました。

此度の労働事件のあらすじを相談役の弁護士の先生に説明しました。相談は30分です。
今回の不当退社勧奨に対しての救済の概要は次の通りでした。
- 会社にとって解雇はリスクを伴う
- パワハラ防止法というものがあり、使用者責任でもって会社に損害賠償請求をすることができる。(パワハラが行われないような環境づくり、それを怠っているという点)
- 退社勧奨は、理由が不当ならそれ自体がパワハラ
- パワハラの場合、高圧的な態度や不適切な言動の立証。やはりそこが重要。裁判所が認めるかどうかに係る。
- パワハラで就業環境を害された場合の慰謝料の相場は大体500,000円から900,000円。
パワハラで悩んでいるなら、慰謝料請求できると学びました。大変、勉強になりました。
ちなみに、労働マターで裁判所に訴える場合、通常の裁判手続きとは異なる「労働審判」という制度もございます。これは、最大3回の審理でカタをつけるシステムで、短期間で決着をつけたい場合に活用できます。非公開の審理で判事さんと2名の労働審判員のジャッジで詮議します。これは、判決というよりは、解決に向けた勧告という形をとることが多いです。勧告といっても、判事さんからの勧告ですので、重みはあります。

頼みのツナマヨならぬ、頼みの労働局。あっせんの活用
お次は、愛知労働局に相談に行きました。こちらは、哀れな社畜が良く行くところです。パワハラの相談でよくお世話になってきました。(^_-)-☆腰が軽く対処して下すった。
今回は、不当な退社勧奨ということで、相談に赴きました。
そこで相談員の人から「あっせん」という制度を紹介されました。
●「あっせん」とは
紛争当事者の間に第三者が入り、双方の主張の要点を確かめ、双方に働きかけ、場合によっては両者が採るべき具体的なあっせん案を提示するなど、紛争当事者間の調整を行うことにより、その自主的な解決を促進するものです。あっせん案はあくまで話し合いの方向性を示すものであり、その受諾を強制するものではありません
いのちと暮らしの相談ナビより引用

私は、今回スピード解決を目指していたので、裁判所への訴訟よりもこの「あっせん」を利用することにしました。籍もまだ会社にあったので。
その時に「口頭助言申出書」という書類を渡されます。こちらの書類に今回の事件のあらましや論点、希望する解決案などを記入します。ここでは文書作成力が問われますね。あらましについては、5W1Hを意識して説明し、まずは結論から書き始めました。


後日、労働局の相談員の方から連絡がありました。「あっせん」のことについてでしたが、会社側は、顧問弁護士つけて、3人で交渉のテーブルに着くという。
こちらは、弁護士さんはおらず、1人で人事の人間だけでなく、会社の弁護士相手に交渉しなければならない不利な状況。かなり臆病風に吹かれました。弁護士相手に揚げ足取られず上手く交渉できるのか。

でも、交渉のテーブルに座らねば事は進みません。腹をくくって、労働局の用意したあっせんの交渉に臨むことにしました。

やはりこれだね。録音データ。負けない交渉で和解金をゲット

さて、背広に着替えて交渉のテーブルに臨みました。脳みそはノルアドレナリンがいっぱい出て、身体はガチガチでした。

さあ、行かなくては

あっせんの場ではノートは取れなかったので、交渉の大まかな中身について記憶を振り返って、メモしたものがあります。交渉の大まかな内容を紹介します。以下の通り。
まず、人事部のA氏「こちらの基本的な考えでは、解決金とは言っていない。五月を年休消化扱いにして、5月末で自己都合退社してもらう。」
owakon「いや、それでは前回言ったことと話しが違う。ノートに二か月分解決金を支払ってもいいと述べたと書いてあります。」
人事部A氏「それは、4月~6月は試用期間中で、1か月だけは支払ってもいいかなと思った」
owakon「雇用保険というものは、単なる自己都合と退社勧奨、つまり会社都合では受給条件が大きく異なる。例えば、自己都合では、2か月も待機期間があるし、私の雇用保険納付実績では、ひょっとして自己都合退社あつかいでは、納付期間が足りなく受給できないかもしれない。自己都合退社を望むなら、和解金はやはり、色をつけてくれないと困る。」
労務部I氏「そもそもこちらとしては、パワハラがあったと認めてるわけではない。」
owakon「いや、後続の裁判ではおそらくパワハラと認定されるでしょう。」
人事部A氏「従業員に対してヒアリングをした。法令に反するような出来事はなかった。また、お客さんからowakonさんを現場に入れるな、安全意識が低いとクレームを言われている。」
owakon「じゃあ、これならどうですか。」
ここで、私、パワハラ支店長の高圧怒声ボイスのデータを再現しました。

流れるパワハラ支店長の怒声。
すると、人事部A氏の旗色が変わりました。

人事部A氏「むうーー、この〇〇支店長の指導態度はホワイトとは言えない。しかし、扉の開けっ放しはいかん。硫化水素ガスの懸念はあるし、グレーだろう」
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ふふふ、ひろゆきは言ってました、「ボイスレコーダーでの録音はパワハラ対策では効果を発揮する」と。やはり、あっせんの場でも使い物になりましたな。

相手方弁護士「我々は、裁判沙汰は何回か経験している。裁判に行ってもよい。解雇でその後の転職活動で不利になったことはないのか」
owakon「いえ、別に。(沢尻エリカ風に)じゃあ、裁判所にいきましょうか(^^♪ほかの証拠もありますし」
解雇扱いだからと言って仕事探しにえらい悪影響が出たことは特にありません。この社畜、不当解雇なら経験済みですわ。
人事部A氏「こちらとしては5月給与に加えての450,000円は難しい。その根拠は何か。どちらが正しいかは平行線であり、妥協点を見つけたい。」
owakon「うーん、生活保障として、基本給の3.5か月分は最低でも欲しいと思った。裁判なんて私も手間だしまけてもいいですよ。」
A氏「じゃあ、和解金300,000円」
owakon「うーーーーーん、380,000円。」

A氏「では、310,000円でどうでしょう」
owakon「いやあ、360,000」
このあたり、1万円きざみのせこい攻防が展開されました。うん、しょうもない。せこい。
A氏「では、足して330,000円」
owakon「うーーーむ、こちらとしてもこの件は、早めに解決したいし、裁判所に行くとなると「準備書面」の用意など手間もかかる。ちょっとブレイクして、この条件で決着すべきか、相談してもいいですか」
A氏「どうぞ」

そして、決着へ。
そして、この交渉はまとまりました。その後、この交渉内容を文書にして、後日郵送してもらい、その合意書に押印して決着という運びとなり、あっせんは終了です。
大変精神エネルギーを消耗し、疲弊しましたが、負けなくてホッとしました。理不尽な工作に抗えて。一つのトラブルを片付けられて安堵した。


今回の交渉で得た利益は
- 5月分は勤務してないが、年休扱いにして、給与(210,000円)を支給
- 和解金として330,000円をもらう
- 先払いでもらった交通費3カ月分(約2万円)は返還しなくて構わない

と、トータルで560,000円ほど賠償としてもらう沙汰となりました。
パワハラや不当退社勧奨があり、その落とし前もありましたが、一カ月の労働で770,000円も会社から頂いたのは、今回が初めてです。エリートの開業医並みの月収です。よく粘って交渉してえらーーいとKADOKAWA出版の「コウペンちゃん」くらい自分を褒めたいところですが、理不尽なハラスメントにあって、訴えて、もっと高い賠償金を頂けた方々は世の中にいます。(10,000,000円以上)
それに、今回の首になった仕事は、ボーナス有りの正社員でしたから2年くらい継続して働いた方が実入りは良かったでしょう。

人間の値打ち:不当退社勧奨の和解金の使い方ガイド
しかしながら、500,000円以上の大金を得たのです。
この予想外の所得をどう使うか。このお金の使い方でその人間の値打ちや賢さがにじみ出るというもの。

1.カウンセリング
まずは、不意の失業となったので、その動揺と今後の不安を緩和するために心理カウンセリングに申し込みました。また、昭和平成価値観の旧友からのバッシングもあって、心の傷を修繕するためであります。


2.副業の軍資金
2番目は、このお金を元手に副業を始めようと思い立ちました。国際的なオークション取引のプラットフォームを活用した国際物販ですね。古物商許可証の申請や商品の仕入れや先輩からの副業の指導料(ココナラさんを活用)などに利用しました。

今は、副業の時代でパソコンで自宅で稼げます。また、会社から不当解雇されても干からびないように転ばぬ先の備えですね。



3.英語の学習
3番目の使い道は、英語の学習の費用に使いました。国際物販の副業で活用するし、海外の人とビジネスしたいと思ったからです。実際、ビジネス取引してみるとアングロサクソン系の方はお世辞やポジチィブメッセージは多くて嬉しい。



4.旅行
最後の使い道はズバリ旅行ですね。人生はやはり楽しまなくては。失業と和解金で「暇」と「お金」はあるのです。この時は、名古屋から九州まで旅行に行きました。私のブログは旅行記も書いてあるので、そちらも良かったら読んで下され。




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