読者諸兄諸姉の皆様、ご機嫌いかがでしょうか?
元社畜のowakonです。今回のネタは、大変理不尽でまさにブラック企業と語るにふさわしい事件です。
皆様、中井まさひろ氏による女性アナウンサーへの聖加害問題とその事件をもみ消そうとしたフジテレビジョンの事件は記憶に新しいでしょう。あれは、下っ端の従業員を粗末に扱い組織防衛の理屈がまかり通る構図の典型的な事件でした。
今回の私の体験した事件はそれと相似形です。そこの職場では、パワハラがあり、その件を相談し、対応を求めたところ、パワハラ加害者は処分されず、不当な退職勧奨を人事から切り出されました。
これが、そのトラブルの落とし前の証です。



大変驚きです。これは、10年以上前の事件ではなく、3年ほど前の事件です。

労働事件ということで、私、労働局へ行き、「あっせん」という制度を利用してブラック企業に抗いました。その結果、1か月の実労働で約800,000円ほど会社からもらう運びになりました。(エリート開業医並みだ)でも、代償も大きかった。メンタルは悪くなり、正社員の椅子も失い、昭和気質の友人と縁を切ることになりました。
日本は、昔に比べて、コンプラ意識が進んだと言われてますが、まだまだ企業のパワーは強く、昭和気質が残っています。その証拠にまだ日本社会にパワハラは多い。

今回は、もし、セパ両リーグ(セクハラパワハラ)を受けて、相談して、報復人事として不当退社勧奨を受けた場合の対応ともらえる解決金や雇用保険の扱いについて語ります。中井まさひろ氏とフジテレビジョンの事件の相似形的なトラブルに遭い、粗末に扱われ、理不尽な想いをしている労働者がまだまだ多いと推察される社会事情に鑑み書き綴りました。
今回の仕事のステータス
- 正社員
- 施設管理職
- 月給は210,000円ほど
- ボーナスは基本給の3か月
- 労働時間は、午前8時半~17時15分
- 残業は月3時間程度
- 完全週休二日

ブラック企業との出会い、虚飾的面接回答
あれは、3年ほど前、非正規の仕事をしながら、正社員の職を探しておりました。ただし、サポートは受けておらず、一人で休職活動にあたっておりました。

某民間の転職サイトから、その会社の仕事案件を見つけ、応募しました。書類選考に通って、面接に伺いましたが、その席で私は、「御社の職場ではパワハラがありますか?あったら、どのような取り組みをなさっていますか?」などとあらかじめ就労に先立ち質問してました。
ひろゆき殿は言う、YOU TUBEチャンネルで「面接でパワハラで辞めたなんて言うと採用されない」と。
ひろゆき「パワハラで辞めたなんて、面接でいうとまず採用されないっすよ。僕が経営者なら、こいつうるさそうってなるじゃないですか」
いやいや、ひろゆき殿、パワハラ嫌だってことを口にして、面接官に忖度せずとも採用されます。
事実、面接官の回答としては、「言いにくいけど、ウチの会社にもいるっちゃいる。職人気質の人はいる。そういう人はわかってないんだよな。自分のやってることが、パワハラにあたるかどうかが。今、会社としてそういう行為が起きない取り組みを行っている。コンプライアンスの徹底をやってる。もし、そういうことがあれば、コンプライアンス委員会もある、苦情受付係もいる。解決方法はある。すぐ相談してもらえたらいい」

という内容で、無事採用に至りました。(^^)/うん、ここまでは良かった
就労に際して、これまでパワハラトラブルの憂き目にあってきたので、この回答は、安パイとなったのですが、後日、この期待は裏切られることになります。

昭和平成からの申し子、パワハラ支店長との遭遇
こうして、設備管理の会社に入社しました。最初の1週間の研修期間は、面倒みてくれた上司の人も高圧でなく丁寧な感じで問題なかったのですが、配属先の支店でとんでもない支店長に出会ってしまいました。私は、パワハラの星の下に生まれてしまったのでしょうか?それとも日本社会においてパワハラはまだまだ多いのでしょうか?

この支店長、昭和・平成の香りがして、部下に対して高圧的な人でした。
人を下に見る悪いくせがあり、なおかつ気分屋でした。そのため、怒声や罵声をちょくちょく飛ばしてまして、不快でその度ストレスを感じておりました。
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具体的なセリフとしては、「降りろ、横着すんな。(# ゚Д゚)」「おい、放せ(# ゚Д゚)」」「お前、前にも言ったよな。施設のドアはきちんと閉めろって。ちゃんと閉めろ(# ゚Д゚)。虫が入ってくるだろうが。客からも言われてんだよ。ちゃんと閉めろって」(怒声)

あとは、誤って室内の電灯を全て消してしまった時に
「たわけ」と罵声を受けました。

あまりにも、高圧的な態度が目立つので「高圧的な態度は嫌」と伝えたら
「お前、何言ってんだよ。俺、これでも丸くなったんだぞ。仏の支店長だぞ。」とおっしゃってました。
仏は「たわけ」なんて言いません。何かのジョークなのでしょうか。
その上司の上司にも報告しましたが、態度に改善は見られません。


パワハラの御仁の特徴としては、言い訳をよくします。私の経験上、それは言える。

このパワハラ支店長、上の人から定着率の悪さを指摘されていたようなのですが、自分の指導態度やお口の悪さを反省することはなく、採用活動する面接官のせいにして、責任転嫁してました。

支店長「定着率が悪いって上は、言うんだけどさ。それはそんな奴を雇うお前らのせいだろ。履歴書みりゃ、普通わかるだろ。すぐ辞める”辞め癖’のある奴かどうかなんてさ。人事が悪いんだよ。俺のせいじゃないよ。」
いやいや、あなたの指導態度にも、相当問題ありますから。うん。

このパワハラ支店長、高圧的な指導態度が目に余るものですから、録音機を装備して、仕事場に行くようにしました。パワハラの証拠を掴むためです。ユーチューバーのひろゆきもパワハラ対策として録音の有用性は説いております。実際、パワハラの高圧的ボイスの録音に成功して、後日のあっせんの場で有利な証拠となりました。

勘違いしている方も多いのですが、パワハラの録音に際して、相手の承諾は要りません。ひっそりと懐に忍ばせておいてOKです。盗聴ではありません。弁護士の方も問題ない旨おっしゃってました。

裏切られた期待、パワハラ相談の代償:理不尽かつ不当な退職勧奨

パワハラワードを受けながら、仕事をしていたある日のこと。施設への移動中の車の中で、「馬鹿か、お前。それ発電機だろ(# ゚Д゚)」と馬鹿呼ばわりされて罵声を浴びました。

さすがに、これはもう酷いと思い、社内のハラスメント担当の苦情受付係の人に相談することにしました。入社面接の際に、「解決方法はある。すぐに相談してくれたらいい。今、パワハラの起きない職場をつくっている。」と面接官の人に言われていたので、期待して電話しました。
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それで、その担当者の方と1週間後に最寄りのコメダ珈琲店でヒアリングをすることになりました。
もう少しの辛抱だ、上司を飛ばすことはないにしても、違う事業所に配置転換はしてくれるだろうと思っておりました。
が、しかーーーーーーーし、そんな淡い期待は裏切られることになってしまったのです。
コメダ珈琲店には、人事総務のA担当者以外に、自分の部署のI労務部長も同席していました。
こちらの力になってくれるのかと思いきや、開口1番「パワハラなんて確認できなかった」などと言い出しました。
続けざまにA氏は「M支店長に対してのヒアリングと支店の従業員へのヒアリングを実施しました。M支店長が高圧的な人柄であるという、従業員の人たちからのフィードバックはなかったし、私、自身彼と面談して、そのような人柄とは感じなかった。」
そして、I氏は「こういうのは受け取り方次第だから。馬鹿と言われてもパワハラであると感じない人や仕事を続けていく人もいるわけだし。また、扉を開けっぱなしであったのは良くない。硫化水素の流出とか危険なこともあるから。彼が興奮してしまうのも分かる。あなたはそこを理解しているのか?」
「ハア?」

私は、面食らいました。まさか、パワハラなんてないという方向に持っていかれようとするなんて。また、「硫化水素云々」とI氏は言っていましたが、硫化水素が出るような現場なら保護具を着用させてますが、普段から着用はさせてはおりませんでした。とってつけたように危険を訴えるのは不自然です。
I氏はさらにこう切り出しました。「部署としてパワハラには対処しました。放置してはいません。」
そして、ここからがびっくりΣ(・ω・ノ)ノ!仰天。A氏がとんでもない事を言い出しました。
「それよりもowakonさん。会社都合ではなくあなたの自由意思でお辞め頂きたい」

「〇年〇月〇日に雇用契約解除を申し出たという形にして退社してください。」
私、owakon「何ーーーーーー。一体どういう事」

I氏「owakonさん、あなた前の職場で労災やらかしたらしいじゃないですか。お客さん(派遣先)に対して労災やった人を雇入れるのは、不信感を抱かれると思うんですね。
お客さんから『労災やらかした人を雇うの?』と文句言われると僕らどうしようもない話なんです。お客さん(派遣先)からNOと言われると派遣上どうしようもない。ウチらが言ってるわけではなく、自分のまいた種なんですよ。」(・∀・)ニヤニヤ

人事総務A氏「3か月の試用期間が設定されてますよね?これは入る人全員がそうなんですよ。お互いのミスマッチを解消できるよということなんですね。あなたは、この職場に相応しくないということなんです。あなたの自由意思で辞めたというかっこうのほうがゆくゆくのowakonさんにとってもいいとおもうんですよ。」

owakon「嘘だろ、信じられねえ。こんなどうでもいい理由で退社を迫るなんて。こりゃ、パワハラだと騒ぐ従業員を放り出したいがための報復人事くさいな。令和の時代、パワハラ防止法もあるのに、こんな理不尽であこぎな真似をするとは(゚Д゚;)


こちらの会社の「就業規則」にもハラスメントは懲戒の対象と記載されているのにも関わらず、何故こんなことになるのか?おかしな話です。┐(‘~`;)┌
退社勧奨にNO。雇用保険の知識を活用した社畜の反抗

大人しい人や企業に従順な人は、このまま退社して終わりでしょう。
ところが、社畜は、これまでこのような不当解雇トラブルを経験していて、社労士的知識を仕入れております。それに基づいて抗告します。

owakon「いえ、解雇処分にしてください。そこまで言って、自己都合で退社してくれなんて都合が良すぎる。」
A氏「解雇でいいんですか?あなたの経歴にミソがつきますよ。」
owakon「構いません。雇用保険の受給の関係で、解雇処分のほうがこちらとしては有利なのです。ご存じない?だから、解雇にしてもらったほうがこちらとしては助かるのです。」
A氏「こちらとしては解雇扱いにしたくない。解雇ということは、会社が一方的に労働契約を解消するということ」
雇用保険の受給においては、退職した理由により「単なる自己都合」か「特定受給資格者」かあるいは「特定理由離職者」に分かれていて、単なる自己都合でないほうが有利なのです。
雇用保険の通算納付月が6か月で済むし、(自己都合だと最低12か月)トータルの受給金額も多くなり、受給までの待機期間も7日です。(自己都合だと2か月)
以下は特定受給資格者の該当者です。
- 「解雇」等により離職した者(1) 解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇を除く。)により離職した者(2) 労働契約の締結に際し明示された労働条件が事実と著しく相違したことにより離職した者(3) 賃金(退職手当を除く。)の額の3分の1を超える額が支払期日までに支払われなかったことにより離職した者(4) 賃金が、当該労働者に支払われていた賃金に比べて85%未満に低下した(又は低下することとなった)ため離職した者(当該労働者が低下の事実について予見し得なかった場合に限る。)(5) 離職の直前6か月間のうちに[1]いずれか連続する3か月で45時間、[2]いずれか1か月で100時間、又は[3]いずれか連続する2か月以上の期間の時間外労働を平均して1か月で80時間を超える時間外労働が行われたため離職した者。事業主が危険若しくは健康障害の生ずるおそれがある旨を行政機関から指摘されたにもかかわらず、事業所において当該危険若しくは健康障害を防止するために必要な措置を講じなかったため離職した者(6) 事業主が法令に違反し、妊娠中若しくは出産後の労働者又は子の養育若しくは家族の介護を行う労働者を就業させ、若しくはそれらの者の雇用の継続等を図るための制度の利用を不当に制限したこと又は妊娠したこと、出産したこと若しくはそれらの制度の利用の申出をし、若しくは利用をしたこと等を理由として不利益な取扱いをしたため離職した者(7) 事業主が労働者の職種転換等に際して、当該労働者の職業生活の継続のために必要な配慮を行っていないため離職した者(8) 期間の定めのある労働契約の更新により3年以上引き続き雇用されるに至った場合において当該労働契約が更新されないこととなったことにより離職した者(9) 期間の定めのある労働契約の締結に際し当該労働契約が更新されることが明示された場合において当該労働契約が更新されないこととなったことにより離職した者(上記(8)に該当する場合を除く。)(10) 上司、同僚等からの故意の排斥又は著しい冷遇若しくは嫌がらせを受けたことによって離職した者、事業主が職場におけるセクシュアルハラスメントの事実を把握していながら、雇用管理上の必要な措置を講じなかったことにより離職した者及び事業主が職場における妊娠、出産、育児休業、介護休業等に関する言動により労働者の就業環境が害されている事実を把握していながら、雇用管理上の必要な措置を講じなかったことにより離職した者(11) 事業主から直接若しくは間接に退職するよう勧奨を受けたことにより離職した者(従来から恒常的に設けられている「早期退職優遇制度」等に応募して離職した場合は、これに該当しない。)(12) 事業所において使用者の責めに帰すべき事由により行われた休業が引き続き3か月以上となったことにより離職した者(13) 事業所の業務が法令に違反したため離職した者
「ハローワークインターネットサービス」より引用
また、自己都合で退職した場合、以下の給付待機期間が設定されています。
Q20 会社を自己都合により退職した場合、給付制限があると聞いたが給付制限とはなんでしょうか。
会社を自己都合で退職した場合、雇用保険(基本手当)の受給手続日から原則として7日経過した日の翌日から2か月間雇用保険(基本手当)を受給できない期間があり、これを「給付制限」といいます。
なお、給付制限期間中に就職し、一定の要件を満たした場合は、再就職手当を受給することができます
厚生労働省ホームページより引用
私はまだ食い下がります。owakon「他の職場への移動はないのですか?」
A氏「他の現場もやはり無い。会社としては難しい。」
owakon「じゃあ、やはり解雇処分にしてください。」
I氏「では、2か月分の給料分のお金を用意します。これで、退社願えませんでしょうかね?」

owakon「給与2か月分ですか。うーーーむ(~_~;)ーーーーーーーーーーーーーー」
沈黙が続く、それは1秒が永久に感じられるほど。
owakon「すいません、この場ではすぐに回答致しかねます。ちょっと保留にさせてください。」
A氏「いいですよ。ちょっと考えておいてください。」
「知は力なり」と言います。このようなブラック企業からの不当な工作に対して、黙ってやられないために、社畜のたしなみとして「社労士的知識(社会保険や労働法の基礎)」は学んでおいて損はないです。そりゃ、いまはスマートフォンやパソコンですぐに検索して調べることは簡単ですが、相手の不法行為に「気付く」かどうかは大切ですぞ。即応して、反論できるかも大事です。
社労士的知識を仕入れておいたおかげで、黙ってやられぱなしではなく、解決金給与2か月を提案させることに成功しました。あちらさんは、「雇用調整助成金」の受給の関係で解雇はしたくないのでしょう。
社畜の帰り道、不当退職勧奨がもたらした悲しみ
この日、退社勧奨を突然告げられた帰途は様々な感情がぐちゃぐちゃになっていました。

驚き、怒り、当惑、悲しみ。とりあえず放心しつつ、最寄り駅に置いておいた通勤用自転車を漕いで、自宅まで帰りました。(自宅まで10キロほどあります)


「なぜこんな目にあうのか」「明日からどうするか」「今後の身の振り方としてどうすべきか」もんもんと考えながら、マインドレスネスで自転車運転してました。
とりあえず、「果報は寝て待て」誰かに相談して、気分を落ち着かせることにしました。
厄介なことになりましたが、とりあえず相談して、論点整理して、食べて寝る。
NHKで「幸せは食べて寝て待て」というドラマが放映されています。私、個人的に気に入ってます。楽しみ。
次の記事では、不当な退職勧奨の抗い方について紹介します。こうご期待。
今回のブラック企業度総括
- 長時間労働 4
- 薄給度 5
- 激務度 5
- パワハラ度 9
- 理不尽度 10
- 不法度 9
総合評価 A


本日のあなたに伝えたいこと

下の者が理不尽な目に遭うパワハラ文化はまだまだあるぞ。パワハラ被害を相談して不当な退職勧奨をしてくる人事や名ばかりコンプライアンス室もあるぞ。それに備えて、社会保険や労働法の勉強しておこう。損はなりません。
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